香港からの風と共に~K&L 徒然コラム~

第3回 CEOからのご挨拶と自己紹介(3)

みなさん、こんにちは! K&L Partnersの林(リン)です。第3回のコラムでは、弊社のもうひとつの事業の柱であるM&Aアドバイザリーについてご紹介したいと思います。

2.M&Aアドバイザリー

K&L Partnersでは、以下2つの内容にフォーカスしたM&Aに関するサポートを行っていきたいと思っています。

  • 日本と中国のクロスボーダーM&A/ビジネスアライアンス(業務提携)
  • 買収/合弁後の経営統合支援(PMI)

筆者がK&L Partnersを創業する以前、キャリアのスタートを会計事務所系(Big4)のコンサルティング・ファームから始まったことについては第1回のコラムでご紹介しましたが、業務改善+IT導入をいつしか7年近くも経験していくうちに、“もっと経営の意思決定の近くでのコンサルティングをやってみたい”という思いが芽生えるようになりました。ちょうどその時、ある人脈を通して偶然にもM&Aの世界で、買収後の経営統合の分野で筆者のこれまでのキャリアを活かせるかもしれないから是非来てくれ!という誘いを受け、Ernst & Young(EY)という他のBig4の一角へと転職することになりました。

M&Aという未知の世界で果たして自身のキャリアがどこまで役に立つのか全く見当のつかなかった当時の私は、EYでは外資系保険会社の経営統合後の案件を1年ほどプロジェクトマネジャーとして担当することになったり、外資系の金融機関のカーブアウト(事業部門を切り出して他の会社へ売却、統合すること)で1年近く現場責任者として担当していくにつれ、経営統合もしくは事業売却の場において最も重要なことに気づくことになります。

それは、企業合併(売却)ではこれまでの事業の営みの「継続性」をどう保っていくかということが最も重要であり、かつそれが最も難しいことであるということです。M&Aというのはややもすると調印に至るまでのプロセスに光が当てられがち(メディアが取り上げるのもこの辺り)ですが、多くの労力と時間、お金をかけたM&Aの成否は、むしろ調印後の経営統合のプロセスの成否と言い換えてもいいほど、密接な関係を持っているのだということです。筆者はよくセミナーなどでもこの辺りのことを「結婚生活」によく例えたりするのですが、結婚の「成否」を定義するのは難しいものの、結婚の難しさは式を挙げるまでではなくむしろ新婚旅行から戻ってからの実生活が始まってから…というのは、結婚を経験された方にとってはイメージしやすく納得もしやすいのではないでしょうか。殊にこれが「国際結婚」(クロスボーダーでのM&A)となれば、なおのこと実生活でのお互いの価値観のズレがそこかしこで見受けられ、下手をすると毎日の寝食のレベルからストレスが溜まることにもなりかねません。

筆者のこのようなM&Aの世界での実体験を踏まえ、K&L Partnersでは、日系企業、特に中小/オーナー系企業の経営者の皆さまに、冒頭で紹介したM&Aに関するアドバイザリーサービスをご提供して参りたいと考えております。